Renovation63 T様邸
以前ご家族で住まわれていたご自宅はお子様が巣立たれてからしばらく空き家になっており、ご夫婦は別宅に住んでみえました。
ご自宅はデザイン性のある外観である一方、断熱性能が十分ではない為、暑さ寒さが激しい室内であることが気になっていました。自宅をそのままにしている訳にもいかず、今後住むことを考えた時、断熱効果を高めてご夫婦で快適に暮らしたいと、リノベーションを計画され弊社にご相談に来られました。
自然素材をなるべく多く取り入れた住まいがお好みで、薪ストーブが合う空間にしたいとのご希望でした。こだわりのある自分好みの空間と住み心地の良さをリノベーションによって叶える。住んでいたからこそ快適に住むには不足なところがはっきりしていて、それをひとつづつ変えていきました。
元々格好良い建物を活かしつつ、ご夫婦が本物のゆとりと居心地を実現させた施工事例です。
以前はダイニングキッチンが東側に集中し、玄関ホールを挟んで洗面所や浴室までの距離がありました。今回はご夫婦がメインで心地よく過ごせるLDK空間を西側に移動し、東側は寝室となり、一階でご夫婦が普段の生活を全て完結できるような動線に変えました。
部屋の寒暖差が気がかりだったT様。開放的で吹き抜けになっているリビングの断熱性能を上げるため、インナーサッシは高性能なLow-eガラス、アルゴンガス入りのガラスを採用しました。工事個所の外周面には壁断熱を施しました。
2階の面積の広いFIX窓だった場所から風を取り入れたいとのご希望で横滑り窓を新設し、その回りを板金で補修しました。
玄関位置を変えたいというご希望から、掃き出し窓だった南側を玄関に。サイドに窓を設け明るく開放的な玄関になりました。以前の玄関は通風勝手口に。居住性を高める形によりよく変えることはリノベーションの醍醐味です。
玄関を南側にすることで、LDK全体がよく見える形になったので、パーティションのご提案をしました。既設の手摺のオープン階段との一体感を持たせ、アイアンのパーテーションを新設。ストライプ柄のパネルもモダンな雰囲気です。
玄関たたきは、薪ストーブの床と同じ天然石を張りまとまりのある空間に。
薪ストーブを入れることもT様のご希望でした。選ばれたストーブが合う空間にと薪ストーブ周りの素材感(床に天然石を施し、壁にはレンガを張りました。お好きな自然素材を組み合わせて、より上質な空間に仕上がりました。
リビングからスムーズにつながるダイニングキッチン。キッチンは奥様の使いやすさや清掃性にこだわったオーダーメイドです。
キッチンの幅と同じ2550mmの大型背面収納は、全て納まる収納量。清掃性の高いメラミンの扉に引き出しやすい取っ手、ワークトップは無垢を合わせシンプルで柔らかい印象になりました。
シンク下をオープンのゴミ箱スペースにしてより利便性を高めました。
背面収納の奥はオープンのパントリーに。背面収納の裏に冷蔵庫やワインセラーなどを置き、生活感のあるものを無理なく隠せる工夫をしています。
一階全室にはパイン材の無垢フローリングをセレクト。明るい色合いと節のあるデザインが空間に自然な温もりをあたえます。
薪ストーブのタイルは無垢材とマッチする天然石を合わせました。
お庭は雑草や蚊が多く発生する対策として、なるべく手がかからないように、表庭は全面コンクリートを打ちました。裏庭には防草シートの上に玉砂利を敷いています。
楕円形の手洗いボウルや背面のタイルがレトロテイスト。ヒーターのモスグリーンがアクセントとなりまるで森の中に居るような清涼感のあるトイレルーム。
空間のイメージに合わせて、ペンダントライトは自然な曲線のフリッツハンセンのサスペンスライトをご提案しました。
無理のないオーガニックな形状でありながらインパクトのあるフォルムがDKを柔らかくまとめています。
もともとデザイン性のあるRC造のT様邸。それは家の素敵な要素ですが、暮らしやすさが十分でなかったことを難点に思ってみえました。しかし愛着のある我が家だからこそリノベーションを選択され、もともとあるかっこ良さを生かして、断熱、通風、動線、外構などの暮らしの悩みを変え、ご夫婦がこれから安心して暮らせる住まいを実現。
リノベーションとは家を蘇らせること。JYUKOBOの“変えない”リノベーションでまたひとつ素敵な家が新しい時を刻み始めました。
※施工対象は、塗りつぶされた所です